流鏑馬

世界はSCAMにあふれている】小笠原流を名乗る団体について

日本の武士道精神を継承する武術の中でも最高峰の「騎射」というものがあります。
疾走する馬上から弓を射る鎌倉武士の時代から伝わる技術です。

騎射の日本での2大流派といえば、小笠原流と武田流 です。

小笠原流弓馬術礼法

一般的に認知されている「小笠原流」とは「小笠原流弓馬術礼法」です。
※この団体以外は、小笠原流を名乗ることは許されておりません!!
以下は家系図となります。

初代/小笠原長清から始まり3代目で本家(惣領家)と清経家の2系統に分かれ現代まで続いています。

戦国時代に惣領家の小笠原長時が武田信玄と争い敗れその後徳川家康に仕え譜代大名となるのですが、
その子:貞慶が 小笠原流の弓馬の道統を清経家の小笠原経直に継承します。
以後「小笠原流弓馬術礼法」として弓術、騎射、礼法を一子相伝として伝えて来たのは「清経家」系統の小笠原家ということになります。
現在の宗家は31世:小笠原清忠氏。
現在流鏑馬の奉納演武を取り仕切っているのは次期宗家32世:小笠原清基氏となります。


見てください、この騎射技術を! これぞラストサムライですね

「小笠原流弓馬術礼法」は基本は「礼法、弓術、騎射術」を三位一体として稽古をすることで習得する武術です。
現代では女性や子供むけに「礼法」を稽古として教義することもありますが「礼法」をビジネスとして生業にすることを禁じております。

小笠原流を名乗る怪しい2つの団体・・・

「小笠原流弓馬術礼法」以外に小笠原流を騙る違和感を感じる団体が存在することはご存知でしょうか?


平成に入り小笠原流礼法というもう一つの小笠原流を騙る団体が登場し、日本のマナービジネスを席巻しました

小笠原流礼法

「小笠原流礼法」とは何者なのか?

小笠原敬承斎を名乗る女性が32世宗家を名乗っております。
家系図としては、惣領家の31世:小笠原忠統の姉の孫にあたります。

この小笠原流礼法は、ビジネスマナーなどとして世の中に浸透しております。

よくネットではこんな画像をよく見かけることがあります。
このマナーを広めているのが「小笠原流礼法」です。

家系図を見ると分かるように、惣領家の姉の養子の子が小笠原宗家を名乗っているのに違和感を感じてしまうのは私だけでしょうか?

もう一つ「小笠原流 流鏑馬」を名乗る団体が存在することを知りました!

小笠原流 流鏑馬

こちらの小笠原流の宗家は源長統を名乗っております。
家系図は以下
惣領家と清経家に分かれた世代の小笠原六郎盛長が、上野氏を名乗り分家します。
※上野家は南アルプス地方に上野城(椿城)を築城した人物として知られています。

その小笠原六郎盛長の子孫である上野公逸氏が、惣領家:忠統に師事し、弓馬術の免許皆伝を許されたということのようです。
そして、小笠原忠統の「統」の字と祖先:甲斐源氏の「源」を名乗ることを許され「源長統」も名乗っているとのことですが、この逸話にも違和感を感じてしまいます。

以下の動画は もう一つの「小笠原流 流鏑馬」の演武です。
冒頭で先頭で馬を引いている黒の羽織袴の白髪の男性が宗家:源長統氏と思われます。

※「小笠原流弓馬術礼法」の演武と比較すると、馬上での軸がブレて弓の会の姿勢を小さく、弓も10キロ程度?と見える弱い弓に見えてしまいます。
私は弓道と乗馬をかじった程度の素人ですが、これを鎌倉時代から継承する武術とは呼びたくないです。
小笠原流流鏑馬を学んでいる門下生の方には申し訳ないですが「スポーツ流鏑馬」に見えてしまいます。

このように本物の小笠原流以外に小笠原流を名乗る団体が存在しております。
第三者の私が言えることは、家系図を見て違和感を感じたり、実際にその団体が行っている事柄を観ることでその真贋は見極めることが出来るのだと思います。

もう一度、本物の小笠原流である「小笠原流弓馬術礼法」の騎射演武を見てみましょう。
これは、門下生の演武です。 
宗家の演武には劣りますが迫力があります。

そして実際に伝えている「礼法」はこれです。

もう一度 小笠原弓馬術礼法の次期宗家の演武を見てみましょう!
やはり本物の小笠原流の演武は迫力が違います!!

世界はSCAM(スキャム)にあふれています!

自分で真贋を見極めるようにしておきましょう!

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